June 19, 2004
ライプチヒ動物園
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初訪問♪, 訪問園館数: 226 (動物園: 110, 水族館: 57, 博物館: 47, 研究所: 6, イベント: 6)
ペンギン初訪問♪ (ペンギンに出会った園館数: 103)
ライプチヒ動物園は、今回必ず行っておかなければいけない動物園でした。仕事柄、類人猿の飼育で有名なところは必ず見るようにしていますが、ここはマックスプランク研究所という研究施設と動物園が協働で霊長類舎を建設&維持しているという面白い形態です。もちろん類人猿たちは、動物園の一部として来園者に公開されると同時に、認知実験などで研究にも役立ちます。
この類人猿舎だけでなく、最近いくつか新しい展示がオープンしたとか。今日は気合を入れていたので、開園1時間前には駐車場入庫。門が開いたらすぐに入園。閉園時間の19:00まで粘りました。それでも時間が足りなかった、、、、。
ポイントは
・125周年記念
・古い建物をうまく活用
・類人猿大集合!
・収支報告
■125周年記念
新しい展示ができたのには理由がありました。ちょうど去年2003年が開園125周年にあたるそうで、回顧展のようなものを実施したり記念誌やグッズを作ったり、そして新しい展示をいくつもオープンさせたりしたんだそうです。その1つが前述の類人猿舎。その他にも、アジアゾウ舎の拡大やアフリカ園のオープンなど、かなり大規模に変わったようでした。
■古い建物をうまく活用
と言っても園内には1900年代初頭に建築された建物がまだ現役で使われている箇所がたくさんあります。でも、その使われ方には一工夫あり。例えば昔のクマ舎はステージ型でせまく、今クマを飼育するには問題がありそうな施設ですが、そこにロープなどを張り巡らせて、ハナグマを飼育していました。小型霊長類舎には昔と変わらずサルたちがいましたが、いくつかの部屋を組み合わせて広く使っていました。
そして一番面白かったのが、その昔「ライオン工場」として計1300匹ものライオンが生まれたという建物です。古めかしい檻は、その面影を残す形で今は博物館的な施設になっています。中に入ると右手には古風な女性、左手には現代の親子の等身大模型が見えます。彼らはともに同じように驚きの表情を浮かべています。その視線の先にあるものは、、、。古風な女性が見つめる先には何も無い檻の中にいる親子のライオンがいます(壁画)。そして現代の親子が見つめる先には、緑いっぱいの自然に近い環境で暮らすライオンの群れがいました。左右の壁画の裏側の部屋には、歴史的な展示と、動物園の今後をアピールするような展示がありました。
■類人猿大集合!
園内の一番奥まったところにある類人猿舎は、とっても巨大な施設です。中央に温室風の居室があり、それらの外部には大きな池の中に居室とつながる形で5つの巨大な島状の放飼場が広がっています。飼育されている類人猿は、チンパンジー、ゴリラ、ボノボ、オラン、テナガの5種。チンパンジーのみ2群いて、ゴリラ、ボノボ、オランは1群。テナガはオランと同居していました。
うわさに聞いていた通り、すごい施設です。類人猿たちには屋外、屋内ともに群れで生活できる広いスペースと木や寝台など複雑な環境を用意し、お客さん側には生息地のキャンプに入り込んだような設定で体験的な展示がたくさんあり、マックスプランクの研究成果も一部反映されていました。
ただ、来園者側の施設はちょっとやりすぎかなぁと。好き嫌いの問題もありますが、解説をノート風にデザインした板に書き、壁にかけたようにわざと斜めに掲示してあったり、洞窟風の壁には古代の壁画風に動物たちの絵が書いてあったり、、、。ちょっとハノーファーに似てます。保護団体への協力を訴える傍らで、レストランでは使い捨て食器(しかもナイフとフォークまで!)が大量に消費されていたり、ちょっと腑に落ちない感じ。そうやって思うと他にも悪いところが目に付いてくるもんですね。4種の大型類人猿はそれぞれ好きな環境がすこしづつ違うはずなのに、屋外放飼場はどれも同じような木組みになっています。オランにはしなる様な枝を入れたり、ゴリラは水遊びできるようにしたら子どもたちはもっと遊ぶだろうし、見ている方も楽しいのになぁ、とか(今回はオラン2個体しか屋外放飼場に出ていなかったのでなんともいえませんがね)。まぁ、期待が大きすぎたからいろいろ気になるんでしょうね。今回の旅で見た類人猿舎の中で5本の指に入るのは確かです。
■収支報告
もう1つ面白かったのは、動物園の収支が簡単な円グラフとして園内の展示にもガイドブックにも掲載されていること。こんなの動物園では初めて見ました。それぞれどの細目が算入されているかまではわかりませんが、来園者からの収入(Besucher)が約半分あることにまず驚きます(日本だと普通3分の1くらい)。寄付金収入は20%、そしてあちこちの動物園で見かけたズー・ロッタリーと、「tierpaten」と呼ばれる個々の胴部に対する寄付がそれぞれ2%を占めています。円グラフの前後の文章は読めませんでしたが、「これだけ市民が貢献しているんですよ!」とアピールしているんでしょう。
■ライプチヒのペンギン
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