June 5, 2004

ロンドン動物園

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初訪問♪, 訪問園館数: 211 (動物園: 97, 水族館: 56, 博物館: 46, 研究所: 6, イベント: 6)
ペンギン初訪問♪ (ペンギンに出会った園館数: 93)

昨日のホイップスネードに続き、とうとうやってきましたロンドン動物園。ロンドン動物学協会の中心地として、動物園史だけでなく動物学史にも必ず出てくる有名な動物園です。ロンドンの中心からほんの2マイルほどにあるリージェントパークという広大な公園の一角にある動物園は、都市型の動物園であるためあまり広さはありません。そして行き着くのが大変!(それまでの苦労は前述のとおり)駐車場も7GBPもかかりました。

気を取り直して入園!ポイントは以下。
・ゴリラにもチンプにも何にでも三角形のポール
・コレクション
・ペンギンはどこ!?
・ゾウはどこ!?
・Animals in Act
・B・U・G・S

■ゴリラにもチンプにも何にでも三角形のポール
入口入って比較的すぐにある霊長類の施設。まず見えたのがチンパンジーでしたが、昨日ホイップスネードで見た天井の三角形のポールがここにもありました。そしてゴリラ、テナガ、ダイアナモンキー、クロザルなどすすんでいくと、どの放飼場にも三角形のポールがあります。なるほど、これはこんなに普及していたんですね。場合によってはポールの継ぎ目にロープを結んでさらに複雑な状態にしたり、応用性も抜群♪
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■コレクション
もともと動物学の研究推進のために限られた人々に公開されたロンドン動物園。その名残か、コレクションはすごいものがあります。鳥類が並んでいるコーナーには、○○ピジョン、○○ピジョン、、、、、、ハトってこんなにいたんだぁ。偶蹄目のコレクションもなかなかで、キリンにはじまり、オカピ、ボンゴなどお馴染みの目玉動物、初めて見たアノア、Nyalaなど充実していました。
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■ペンギンはどこ!?
さて、一番楽しみにしていたのが、あの有名なペンギン舎です。白くカーブを描く近代芸術的なペンギン舎は、建築物としてもとっても有名。遠くから白いものを見つけ、かけよってみると、、、、あれ?アリゲーターのパネルがある。えー!もしかして食べられちゃったの!?、、、ってそんな訳はなく、ペンギンは他の場所に移動し、今はアリゲーターをここで飼育しているとのこと。え〜そんなぁ〜。
新しいペンギン舎にいってみると、広くはないですが池状のプールと砂の陸場、巣穴、そして木陰のある良い場所でした。なるほど。そういうわけですね。スタッフの人をつかまえて聞いてみると、やはりそうでした。今の場所の方が「More Naturalistic」だから6ヶ月ほど前に移動させたんだそうです。でも前のペンギン舎は建築的にとても貴重だから残しておくとのこと。
これは、ロンドン動物園のあり方を象徴している出来事でした。長い歴史、それを語る多くの建築物やモニュメント。いわば「動物園の博物館」とも言うべき場所です。それと同時にコンサベーションや動物福祉を実現しようとしているわけですから、その狭間で難しい決断を迫られることは多いはず。ペンギンの場合と同様、動物舎自体は残して他の動物に利用するという方向が一つの答えのようでした。
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■ゾウはどこ!?
ペンギンに続くもう1つの例がゾウ。ゾウがいた動物舎には、ゾウの像はのこっているものの、現在はラクダとイノシシ(の仲間)がいるだけ。ゾウはホイップスネードに集めて、ロンドンではゾウは飼わない方針のようです。ただゾウ舎自体は建築的に貴重なものなので、他の動物を飼育しているというわけ。
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■Animals in Act
園内では様々なイベントがありましたが、その中でも特に目玉なのが、このイベント。専用のステージが園の中央に用意されていて、15分前くらいになるとアナウンスまで流れます。まず登場するのは、ホイップスネードでも見たコンゴウインコ。ホイップスネードのように大空を舞わせることはありませんでしたが、客席側にいくつか用意された枝やロープへ飛ばすので、すぐ頭の上を羽がかすめます。ちょうど私たちが座った場所がロープのすぐ前の席だったので、すっごい近くで見れました。次がアナグマ。器用な手つきとロープを渡る技を披露してくれます。そして最後がミミズク(大きいやつ)。コンゴウインコの時と同様に客席の上を飛ばすのですが、羽音がしないことを実感するために、スタッフが観客に静かにするよう求めます。シーンとなった会場を音も無くミミズクが「サーーッ」と舞うのには、拍手喝采でした。スタッフの語りもテンポよく面白くて、とっても良いイベントでした。
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■B・U・G・S!
そして、ロンドン動物園の新しい方針を表しているように感じたのが、オープンしたばかりのこの施設。名前の通り昆虫など無脊椎動物を中心に展示しているのですが、その方法が他とは全く違います。つまりメッセージがハッキリしていて流れがあること。展示動物はその一例にすぎないこと。話の流れとしては、まず動物界の多様性を実感させてくれます。様々な生息環境に進出した無脊椎動物。砂漠や淡水、海、そして人のすぐ近く、と紹介されます。そして多様性が生まれたワケを、進化の視点から解説します(さすがダーウィンの故郷!)。遺伝子の多様性の話では、人や動物の顔の個体差、色盲、舌を丸められるかどうかなど、身近な例を出していて面白かったです。そして絶滅について。そこから、すでに絶滅した動物のこと(ロンドン動物園には過去にクアッガを飼育していたことがあります)、絶滅に瀕した動物のことに話をすすめます。そしてZSLがどんな取り組みをしているのか、他にどんな組織があるのか、今あたなに何ができるのか、と語りかけて終わる。という壮大なストーリーです。
スタッドブックの説明では、タッチパネルのPCを使ってトラの種別調整者の仕事を体験できます。スウェーデンの動物園から飼育しているオスに適当なメスがいないか相談のメールが来て、血統や放飼場の環境などを問い合わせるメールをやりとりし、最後にメスを選んで送り出します。そして見事子どもがうまれる!!というストーリー。なかなか凝ってます。
飼育動物を活用して動物学や保全について学ぶ。すぐに「保全しましょう!」と訴えるのではなく、それまでに膨大で奥の深い情報をもって動物の多様性の神秘に触れさせる、というのは、ロンドン動物園ならではの手法です。なるほど、と納得した次第でした。
しかし現実は厳しいものです。BUGSの中にはイギリス人の好きなフィッシュ&チップスという食べ物に使われる魚に関する展示があるにも関わらず、すぐ目の前の売店ではフィッシュ&チップスが売られ、みんなそれをおいしそうに食べ散らかし、ゴミも片付けず、食べかすをあさりに野鳥が集まってくるといった始末。道のりは長そうです。
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投稿者 riemagu at June 5, 2004 11:19 PM
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